Turn It on Again: the Hits
価格: ¥1,817
フィル・コリンズの特徴ある声に、躍動するシンセと派手な電子&アコースティックなパーカッションという組み合わせは、80年代(90年代初期も)ロックの象徴的サウンドだ。同時期のコリンズのソロは、ジェネシスと区別がつかないこともあったが、彼らが60年代終わりにアート・スクールで出会って始まったバンドが、大きな変化を遂げた証しでもあった。たしかに、そんなジェネシスの『Greatest Hits』を作ってしまおうというのは無謀だったかもしれない。しかし結成当初の5人組からボーカルのピーター・ガブリエルが脱退して4人に、そしてギターのスティーブ・ハケットが抜けて3人になるにつれ、コリンズと彼のR&B色の強いポップセンスに注目が集まるようになっていった。選曲のバランスを考えたせいか、「No Reply at All」や「Taking It All Too Hard」といった名曲が漏れ、最新ボーカルのレイ・ウィルソンの曲が収録されているが、徹底したヒットメイカー(わかりやすいとはいえ)としての才能を存分に堪能できる内容だ。ガブリエルとハケットが参加した新録は、オリジナルメンバー5人による「The Carpet Crawlers」(原曲は『The Lamb Lies Down on Broadway』に収録)の豪華なリメイク。(Jerry McCulley, Amazon.com)