インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

書剣恩仇録〈3〉砂漠の花 香妃

価格: ¥9,714
カテゴリ: 単行本
ブランド: 徳間書店
Amazon.co.jpで確認
驚異!イスラムのシルバーホークス!! ★★★★★
 すみません、このタイトル(笑)しかし、今巻で特筆すべきパンチ力のある人物といえば、やはりこの「双鷹」のお二方だと声を大にして言いたい!お年寄りにも関わらず強いのなんの。しかも二人とも非常な短気という性格付けがまた面白いです。
 私の持論の中に、「空想冒険小説に欠かしてはならない存在が三つある。それは子ども、動物、お年寄りだ!」というのがあるんですが(なので、7作目あたりからお年寄りをメインキャラから排除している今の某大人気ロープレにはがっかり。アメリカ化してしまったのでしょうか?お年寄りの渡世の知恵とお茶目、熱い執念なくして、ラスボスなんて倒せるわけがない!!テラ、ガラフ、ストラゴス最高です)しかし流石金庸大兄、そんな私の心のツボ(経穴)を鮮やかに一突きしてくれました。
 ともかく、3巻目。まさかまさかの、第二のヒロイン登場です。1巻の時点で既に読者に提示されているので、予想外ではないのですが、冒険の舞台もぐっと広がります。1巻からの伏線や目的がかなり回収・達成され、ある程度一段落はするのですが、解決されない謎や振り切れない思いが新たな展開を呼びます。滅満興漢の大望は果たして叶うのか?総舵主や余魚同、李のお嬢さん、ホチントンらの恋にはどう決着がつくのか?
 男女の愛情についても、悲恋もありますが(辛いけど大事ですよね)、全体にジンとした温かさや可愛らしさ漂う描写が多くて和みます。男性作家でこういう女性の可愛さを描ける人ってすごく好感を持ちます(笑)。あまり性格が極端でリアリティがなくても困りますが、今のところ金庸さんの女性キャラクターは許容範囲です。しかし、完璧なヒロインというのもあれですが、サマセット・モームの描く女性のように「ここまでひどい女そうはいないよ!」というような、非情だったりあばずれだったりする女性は読むと泣きたくなりますね。
 相変わらず巻を重ねる毎に、面白さや読みやすさ、文学的深みが増してきています。他の金庸ファンの方のレヴューを読んでいても、「金庸は、2巻以降からぐっと面白くなる作家」との意見があるので、やはりスロースターターなのでしょうか。壮大な伏線を張る作家さんは、こういう後半盛り上がりのパターンが多いですね。