今回の主役はロレイン・ゲイリー扮するエレン・ブロディで、彼女はブロディ署長の妻であり、『ジョーズ3』の主人公マイクの母親である。一見無関係に見える「ジョーズ」シリーズの人間関係だが、実はブロディ一家がサメと戦うという共通項があったのだ。監督のジョセフ・サージェントは、第1作のスピルバーグ、第2作のジャノー・シュワークと同じく、ユニバーサルのテレフィーチャーで認められた才能で、劇場用映画デヴューした後に、リメイクもされた傑作『サブウェイ・パニック』を放った名匠。
   次男を巨大なサメに襲われ失ったエレン（ロレイン・ゲイリー）は、長男の住むハバナで、パイロット・ホーグル（マイケル・ケイン）と出会う。　「復讐編」のサブタイトルにふさわしく、息子の仇をとるためサメに立ち向かうエレンの物語だが、ただそれだけの話になってしまっており、シンプルと言えばその通りだが、物足りなさが残る作品。ちなみにブロディは本作において死亡したことになっており、その遺影が劇中に登場する。（斉藤守彦）