人間の内面の映像化
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祈りをテーマにこれまで世界各地で衝撃的な作品を発表し続けてきた氏が、とうとうその総集編とでもいえる写真集を出版した。迫力ある映像、一枚一枚が目に焼きついて離れないほどの力を持つ。
いわゆる私写真や、女性をターゲットにした癒し写真集が流行るなか、氏の作品群はそうした風潮にぶれることなく、まばたきすらしない。言葉とはまた別の魅力を持つ映像、その強さをこれほどまで感じさせる写真家は世界にも少ないと思う。
海外で出版話があり、その日本版とのことだが、これほどの写真集が日本を基点に出版できなかったことに日本の出版会、そして写真ファンは恥じるべきだとすら思う。