とっても中身の濃い写真集
★★★★★
失礼ながら東京新聞ってこんなに立派な本を出すところなのだと感心させられた。
世界の子供達を撮影し、ユニセフ親善大使の黒柳徹子さんとアフリカの貧困に喘ぐ現状を伝えた事で知られ、
写真家協会の会長を務める田沼氏だが、彼の写真への情熱は冷めることが無い。
幾多の授賞もし、写真集も沢山あるが、その集大成とも言える本書は、大きくはないが352ページ、
掲載写真も多く、ずっしりとした重量感に満ちている。
彼の生い立ちから写真人生にまでその作品との関わりも含めて克明に描かれて心地よい。
芸術新潮やライフなど多くの仕事をこなしているが、特に若い頃の作品で、
著名人を数多く撮影した仕事など作品としての価値も高く、貴重な記録と言えよう。
ライフ誌にも注目すべき作品を供していたので、ファンとしては著作権も超えてその作品もあればと思う。
特に報道写真家をめざす人たち、写真に興味のある人たちはぜひ手に入れるべき良い本だ。