これは凄い!凄すぎる本だ!
★★★★★
凄い本である。おそらく今まで特撮関係者の書いた本の中では一番の出来であろう。今まで、「円谷さんが本を書かないで亡くなったので遠慮していた」ということですが、遂に書いてくれました。
怪獣映画のいろいろな裏話はもちろんのこと、大部屋俳優であった関係から、特撮作品以外にも黒澤作品や岡本喜八作品などについても触れられているが、どの話も貴重なものばかり。
また、自分がゴジラ等に入っていた映画で、俳優としても出ていた役についても詳しく記載されて、しかもそのシーンの写真まで載っている。
そもそも写真も輪をかけて凄いのだ。殆ど未発表のものばかりが満載で、「一帯どこにあったのか?」と驚くものばかり。写真集として出版しても良いくらいの、貴重かつボリュームだ。
ナポレオンソロのロバート・ボーンがゴジラのファンで、アメリカでのツーショットの写真が載っているなど、信じられないものがてんこ盛り。これでこの値段は安い!安すぎる!特撮ファンは絶対に買うべし。
あとビックリしたのが、中島さんが完成後僅か10日で撃沈された悲劇の空母「信濃」の乗組員であったということ。本では、ちらりとしか触れられていないが、この話だけで、もう一冊書いて欲しい。何しろ記録が殆ど残っていない幻の空母だ。こちらの貴重な話も是非後世に伝えて欲しいものである。
怪獣人生は映画人生
★★★★★
怪獣マニアやら特撮ファンと言ったカテゴリー分けではなく日本映画好きな人なら必読でしょう。
スタジオシステムがまだ健在だった頃の東宝砧撮影所の貴重な記録として…ある面では戦後史の一断片として非常に面白く読めました。
写真のチョイスも的確だし巻末の俳優名鑑や作品紹介も大変丁寧に書かれています。
洋泉社はとても良い本を出してくれたと思います。
映画関連の書籍を出す出版社はどこもこのレベルを目指して欲しいですね。
迷わず「買い」ですよ
★★★★★
装丁や造本が素晴らしいです 中身に関してはいうまでもありません 写真も豊富 洋泉社はいい仕事しましたねえ 今年いちばんじゃないですか
大阪万博会場のアトラクションでゴジラとガメラが「激突」してたなんてびっくりです!この本ではじめて知りました
ゴジラと空母信濃の中に居た歴史の証人
★★★★★
昭和ゴジラの中の人で有名な中島春雄さんの半生が、(おそらくインタビュー形式で?)綴られた本です。
先駆者として、そして当事者にしか判らない苦労や、円谷英二監督ほかの皆さんの思い出がいっぱいです。
撮影現場等の貴重な写真も多数。昭和特撮ファンなら値段を気にせず購入して欲しい一冊です。
また就役後すぐに撃沈された為に幻の空母と呼ばれて久しい「信濃」に配属され、進水式まで居た経験も綴られています。
軍事書籍関係者はすぐにでもインタビューを!!!
「怪獣人生」ばかりにあらず、戦後映画史の記録である。
★★★★★
著者の中島春雄さんは昭和期のゴジラ映画におけるスーツアクターとして今や世界的な名声を得ている元・元俳優さんです。
彼の語り口調でつづられる本書は、しかしその言葉に第一人者としての誇りは感じられても驕りは感じられず、非常に好感の持てる書籍になっています。嘗ては「東洋のハリウッド」と称せられた東京都世田谷区にあった東宝関連の撮影所群も今ではほとんどが住宅地に取って代わられて昔日の栄光をしのぶものはもうほとんど残っていません。関係者も当然高齢化が進み、彼岸の向こう側へ旅立たれた方も少なくありません。
そんな状況下で「ゴジラ」だった中島さんの物語が一冊の本としてまとめられたことがまずはうれしいです。しかもこの本には怪獣映画のことばかりではなく東宝専属の大部屋俳優として出演した数多くの映画のことにも触れられていて誠に貴重なお話がいっぱいで、これは思わぬ余禄でした。スターや、メインスタッフから見た黒澤映画の著作はありましたが、中島さんのような大部屋俳優のそれなど恐らくは皆無でしょう。故に「怪獣人生ばかりにあらず、戦後映画史の記録」と銘打って一文書かせていただきました。怪獣映画に興味のない方でも、東宝映画ファンならば、日本映画ファンならば是非読んでいただきたい一冊です。
もちろんビジュアルも貴重なものが満載で観ても楽しめる一冊です。これで3000円少々の値段は安すぎます!