書のうまい人はそれこそたくさんいるだろうが、高度な書の理論をも踏まえて、実証的学術的に文章を書ける人は少ないだろう。その点、この著者は書の実作はもちろんのこと、学者としても実績十分である。この本はその「卿山(けいざん)先生」が、書のあれこれについてわかりやすく述べたもの。日本人ならば、書芸術についての教養はあるほうがいい。さあ、我々も「書を楽しもう」!