アイ・ガット・リズム
価格: ¥2,854
デヴィッド・マシューズ率いるマンハッタン・ジャズ・クインテットは聴く者の期待を決して裏切らない。84年のデビュー作以降、一貫してハード・バップの王道をいく2管クインテット編成を守り、新旧の名曲をマシューズの斬新なアレンジで料理している。そういうスタイルを堅持しているので、当たり外れがないのだ。
ただしメンバー交代はあった。前作『ティーン・タウン』からサックスがアンディ・スニッツァーに代わった、これはスニッツァー参加後の第2作。これまで有名曲はほとんどカヴァーしているので、今度はどんな曲をやっているのか選曲が楽しみだったが、なんと今回はクインシー・ジョーンズの<3>やジョージ・ベンソンの懐かしいヒット曲<7>など、これまでとはひと味違った感じの曲を取り上げていて、思わずニヤリしてしまう。タイトル曲のスピード感は最高に爽快だ。モダンでしゃれてて、いかにも今日的なアレンジはさすがマシューズ。そのペンは、ますます冴えている。メンバーのソロも強力とあって、文句なしに楽しめる作品だ。(市川正二)