「Ride」、「Animal Machine」、そして大まじめな絶叫ソング「Fuck The World」は、唇をめくれ上がらせて歌うニューヨーク・ロックのコピーとして上出来だ。強烈なギター・プレイは聴く者の腰を動かし、黄色い大合唱を呼び起こすだろう。中盤に差しかかる頃になると、ギラギラとしたホルモンはほとんど感じられなくなり、ビートルズ風の明るく軽快な作風(「She’s Got Something To Say」)、オヤジ風のノリ(「Rainfall」)、微笑ましい戯言(「Sun Child」、「Winning Days」)がそれに取って代わる。「Autumn Shade II」は掛け値なしに素晴らしいと言える唯一のトラックだ。前作の威勢のいい反逆精神を彩っていた、どことなくサイケデリックな息遣いが復活している。単純に『Highly Evolved』を繰り返さなかった点は評価できる。だが『Winning Days』は、ザ・ヴァインズの真価はラウドなチューンにしかないのだろうかという疑問を少しばかり残した。(Dan Gennoe, Amazon.co.uk)