Band of Brothers: Music from HBO mini series
価格: ¥518
あのアカデミー賞受賞作品「セイヴィング・プライベート・ライアン」でタッグを組んでいらい、スティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスの間には第2次世界大戦時の若い兵士たちの功績をさらにたたえたいという強い想いが芽生えていたようだ。その想いが結実したのが、歴史家スティーブン・アンブローズが101空挺師団のヨーロッパ戦歴を描いた原作をもとに作られた10話構成の野心的なミニ・シリーズ、「バンド・オブ・ブラザーズ」だ。この大プロジェクトの音楽を担当したマイケル・ケイメンは、往年の戦争映画の名作でよく使われていたような好戦的な音楽を避けて、プラトーンやプライベート・ライアン、シン・レッド・ラインなどの現代版戦争映画に息吹きを吹き込んだ静かで、主として内省的な音楽を選んでいる。この荘厳な、ときに憂鬱(ゆううつ)な音楽が兵士たちの威厳や戦争という緊迫した状況をうまく捉えているとしたら、逆に人間の他の側面を犠牲にしていることもあるかもしれない。たとえば、40年代の明るいポップ・ミュージックに代表されるよな精神が。とは言え、全体的に見れば絶妙のバランスが計算されたケイメンの仕事ぶりは見事だ。牧歌的な素朴な雰囲気にわずかに現代的リズムを加え、ソロ・ピアノをうまく使ったり、ベートーベンの弦楽四重奏曲嬰ハ短調を重く皮肉な感じにしたり、一度聴いたら忘れられない哀愁漂うメイン・テーマ曲を用意したりしている。(Jerry McCulley, Amazon.com)