実務関係者の必携本 待望の改訂
★★★★★
証券決済に関係する実務者の必携書である旧版(02年)の全面改訂版である。証券決済を巡る変化が激しかったことから、改訂が待たれていたが、期待通りに、証券決済の変貌ぶりを描いている。
ポイントの1つは、わが国における歴史的な証券決済改革の動きである。本書では、株券ペーパーレス化、清算機関の設立、DVP決済の導入などの経緯と現状を明らかにしており、これまでの動向を一挙に知ることができるる。
第2のポイントは、欧州市場における証券市場統合化の動きである。とかく、証券取引所の統合ばかりが報道されているが、実はその水面下で、清算機関や証券決済機関の合従連衡も進
んでいる。本書では、この辺の事情も、実によく書き込まれている。
本書の前半部分では、証券決済の基礎知識や決済リスクの丁寧な解説が含まれている。初学者は、まず、この辺から読み始めるのがよいだろう。
わが社では、新人や他部門からの移動になった人は、まずこの本を与えられて、基礎を固めることになっている。
手元において、辞書代わりに使っても損はない一冊である。引き続き、実務関係者は必携の基本書である。
こんなに改革が進んでいるなんて!
★★★★★
アジアも含め、世界の決済システム改革がこんなに進んでいるなんて知らなかった。
金融関係者はこのような金融インフラ面も知るべきである。
中島氏は麗澤大学、宿輪氏は早稲田大学で教鞭を取っていた。
時代の変化も感じました。
待ってました改訂版!
★★★★★
金融界および学会が待ちに待った改訂版です。
実務で関係が深い人は、文句なしの買いでしょう。
中島は日本銀行代表・宿輪は金融界代表という絶妙なバランス。これが良いんです。
決済・事務・国際金融分野で超有名な二人で彼らを知らないともぐり。
中島は中央銀行で様々な分野をオールラウンドに担当してきて日銀マンとしての知識は十分。
宿輪は今もメガバンクで銀行全体の決済リスクを統括し、今回の全銀システム改革も担当し相変わらず最前線にいる。
アジアについても非常に詳しく、足りなかった情報も十分増強。
ただ、自分で買うには、税込4200円はやや高すぎか。
改訂を私もお願いします
★★★★☆
下のレビューの人のように本書の改訂を待っている金融業界・IT業界の人は非常に多いと思います。関係者の方、よろしくおねがいします。
金融インフラ担当者必携
★★★★★
決済などの金融インフラの新任者にまず読めと渡されるのが、この本。
業界の定番となっている。「決済システムのすべて」とあわせて、金融インフラ担当者の必読書。日本の証券決済システム改革も基本的に本書に沿っている。
実際、アジア金融インフラの検討にも、よく引用されている。また、韓国語に訳され、そちらでもスタンダードになっている。
また、宿輪氏は相変わらず最前線で活躍中であるが、アジアの決済システムは氏の近著「アジア金融システムの経済学」で説明され、考えをのべている。
関係者から一つ要望有り。初版から4年。一日も早く、改訂をお願いしたい。皆の切なる思いである。