原作の「小公女」も読みましたが、これは読みにくかったです。(笑)
原作には登場しないキャラクターがうまく動いています。
ピーターです。
彼がいたからこそセーラの苦痛は原作ほどではなかったと思いました。
いわばピーターは“エア・バッグ”の働きをしています。
子供に見せられるようにするためにはピーターの存在は欠かせないでしょう。
インドという植民地の存在、富むものと貧しいものの存在
そして「女性」という存在などなど無視できない事象があちこち見受けられます。
特に「女性」ということを特に意識しました。
ミンチン先生は確かにひどいです。
しかし彼女の過去を無視することは良くないでしょう。
なんとかミンチン先生は「女性」だけで立派な学園を設立できました。
そして経営するために富裕なものに媚びへつらい、寄付を受けます。
「いやな奴だ」と最初思いましたが、
しかし当時「女性」は社会においてまだ力のない存在でありました。
そのような中で生きていくためにはミンチン先生の行動が必要なのではないかと思ってしまいました。
社会はまだ「女性」にとって氷河時代であった時代を考えさせられました。
セーらは単なるブルジョアではありません。
他者の気持ちの分かる人です。
彼女はダイヤモンドを得ます。
そして多くの人から愛されます。
セーラはブルジョアと労働者階級の架け橋になりました。
だからイギリスでプロレタリア革命がおきなかったのでしょう。