謎を解く二人の会話を楽しむ本
★★★☆☆
童話「熊のプーさん」だけでなく、エッセイストとしても活躍した著者の唯一の長編推理小説。書かれたのが1921年で当時ののんびりした時代を反映しているのか、目の前で殺人事件が起こっているのに生々しさがなく、あくまでも謎解きの雰囲気に徹していて安心して読める。
トリック自体はある程度推測できるし、最初にちゃんと捜査してればすぐ解決するような事件なので、今となったらギリンガムとベヴリーの会話を楽しむことが主になるようなお話である。昔はともかく今も「推理小説史上に残る名作」と形容するのはいかが?とは思う。
犯人のひねりはなし
★★★★☆
冒頭にある挑発的な前書き(!)を
裏切ることのない推理小説。
初心者でも読みやすいミステリーとなっていて、
ひねった犯人設定じゃなく
本当に思っていた人が犯人になるので、
非常に安心して読めるはず。
ところどころで犯人の
やったことを探すため
かなり危険な行動をとったりします。
決して派手さはないけれども読みやすくて
面白かったです。
雰囲気で読まされちゃう作品。
★★★☆☆
作者のA.A.ミルンさんは『Winnie the Pooh(くまのプーさん)』の原作者です。
この『赤い館の秘密』は、彼の生涯唯一の長編推理小説だそうです。
そのたった1冊がとても評価が高いらしく、ちょっと意外な感じがしました。
出版されたのが1921年ですから、結構古いです。
イギリスにある赤い館。
そこの主人のお兄さん、オーストラリアにいて15年ぶりの再会のはずだったのに、
お屋敷を訪れた途端に殺されてしまいました。
そして主人が失踪。。。
“赤い館”に“秘密の通路”などなど、古典本格推理小説の趣き充分。
が、探偵役と助手役の掛け合など、ユーモア交じりで堅苦しくないので、
古い作品のわりに読みやすくなっています。
愛すべき作品
★★★★★
英国の著名な劇作家で童話作家のミルン唯一の長編探偵小説である本作は、かのレイモンド・チャンドラーが、ある評論家(失念しました)の絶賛した書評に反発して、詳細な分析をして、こき下ろされた事でも有名です。
チャンドラー先生は、元々本格ミステリが嫌いとは言え、いちいち嫌みな小姑みたく、リアリティの観点から、本作のメイン・トリックを批判しているんですが、何か大人げなくて不快なんですね。
大体時たま矛盾があったりする、弛緩したプロットを、探偵マーロウの言動で持たしている、あんたに言われたくないよ!とツッコミを入れたくなりますけどね…
ともあれ、そのチャンドラー先生も本作の文章の暖かみや愉快さは、 「漫画を読んでいるようだった」と認めています。
この作品の真価は、正にその点にあって、トリック云々は二の次で、楽しめる事間違いなしです。
『くまのプーさん』の作者が創造した
★★★★★
唯一の推理小説にして、間違いなくこの人が開拓しこのジャンルに送り出したトリックを含んだ名作です。日本では乱歩が黄金時代のミステリー
のベスト10に挙げている作品であり、横溝正史が金田一耕助の初登場作となる『本陣殺人事件』において、本作品で活躍する素人探偵の
アントニー・ギリンガムを金田一耕助のイメージに重ねていたりします。
さて、本作品の魅力としてはやはり最後に明かされる衝撃のトリックが素晴らしいと云いたい訳ですが、残念ながら今となっては数々の推理小説
の設定こそ違えど様々な場面でデフォルメされてる感があるので、それだけをお薦めたる理由にはあげれない。ただ、ただですよ?何が好いって
ミルン独自の軽妙洒脱で流れるような文体は本当に特筆。独自のユーモアもまったく取って付けた感や厭味がない。登場人物にしろ、超人的な
奴はまったく皆無で、誰もが人間味あふれているのもこのジャンルとしては本当に珍しいのです。そういう意味で、ミステリーとしての完成度に
縛られず楽しめる読み物だと思いますね。興味ある方は是非一度手にとってみて下さい。
青空書店
★★★★☆
(くまのプーさん)の作者による本格ミステリー。ちょっとユーモアが利いていて、何度でも楽しめます。
のららののらくら堂
★★★★★
くまのプーさんの作者が書いたミステリィ。本格古典ミステリィです。ユーモアもあり、シンプルで面白い。◆赤い館に泊まっている友人を訪ねるギリンガム。ちょうどその時、当主の兄が殺され、当主が失踪してしまった。
新唯我堂書房 本店
★★★★★
『くまのプーさん』の作者が生涯に唯一書いた長編推理小説。
アントニー・ギリンガムが友人に会うために訪れた『赤い館』で、
当主の兄が殺された。一緒に居たらしい当主が姿を消していて・・・。
用意されたトリックもなかなかですが、登場人物も魅力的に書かれていて、
また、ユーモアのセンスも良く、とても楽しく、読み易い作品です。
初心者さんには、特にお勧め!
鍋書店
★★★★★
「この中に犯人がいる!」ものと素人探偵ものが好きなので。
探偵のギリンガムって名前がかわいくてよい。
「黄色い部屋の謎」と「赤い館の秘密」が一緒になっていた本があかね書房から出ていて、お気に入りだった。
香具師原書禄
★★★☆☆
未読。くまのプーさんで有名なミルンが描く推理小説。今から楽しみです。
樋口屋書店
★★★★☆
英国の劇作家ミルンが、この一作のみで探偵小説界の歴史に名を刻んだ歴史的名作。
推理小説フリークの本屋さん
★★★★★
「クマのプーさん」の原作者の唯一の推理小説。理想型推理小説の一つ。おそらくいくつになっても楽しめる、永遠に語り継ぎたい作品。