田島征彦ならではの染色技法で表現した、極楽の美しさが秀逸。何より、曼陀羅のように、地獄も極楽も混然一体となった破天荒なおかしさが、この絵本の魅力だ。きれいなものも、汚いものも、強いものも、弱いものも、すべて隣り合わせ、みんな一緒。あの世もそうなら、この世も同じ。えらそうなことを言ってる人も、言われている人も、笑って踊れば、万事、めでたし、めでたし。子どもも大人も爆笑するのは、このしたたかさ、たくましさだろう。
第3作、『そうべえ まっくろけのけ』では、そうべえはん御一行は、うさぎ男に連れられ、お月さまのもとへ。天の川を綱で渡り、暗黒星雲をやっつけ、手に手をとりあって難題を乗り越える。大騒ぎも、あの世から宇宙までと、スケールがますます大きくなっている。(平山イソラ)