本書は、現代フランスにおける、国家主導の文化政策に対し批判的な視座にあり、以外にも数少ないフランスの文化政策についての邦語文献のひとつである。著者フュマロリは、コレージュ・ド・フランス（パリにある高等教育機関のこと。最新科学の殿堂であり、故ブルデューも同教授）の教授であるがゆえに、注目度は高い。さらに、本書に引用されている文献も興味深い。できれば原書であるFUMAROLI,Marc. L'ETAT CULTUREL を購入することをお薦めする。