宇宙の意思に生かされている人の詩
★★★★★
宇宙の意思をつねに身近に感じた詩人だと思います。
妙好人(みょうこうにん)的※な詩人発見。
※日常の瑣末のことがらにまで仏教的な悟りに似た境地にある一般人
参考:鈴木大拙『日本的霊性 (中公クラシックス)』第4篇 妙好人(赤尾の道宗,浅原才市)
好きな詩のひとつ
<地球の用事>P312-313
ビーズつなぎの 手から おちた
赤い ビーズ
指さきから ひざへ
ひざから ざぶとんへ
ざぶとんから たたみへ
ひくい ほうへ
ひくい ほうへと
かけて いって
たたみの すみの こげあなに
はいって とまった
いわれた とおりの 道を
ちゃんと かけて
いわれた とおりの ところへ
ちゃんと 来ました
と いうように
いま あんしんした 顔で
光って いる
ああ こんなに 小さな
ちびちゃんを
ここまで 走らせた
地球の 用事は
なんだったんだろう