家事を行うための方法が豊富に乗せられています。その内容は、詳細で多岐にわたります。しかし決して煩雑で文字だらけでありません。見やすくわかりやすく図を多く用いて簡単に説明されています。またページの最初に、どういう家事がどのページに載っているかということが図解してあります。そのため家事で困ったときに、すぐに参考にしやすいと思います。その情報量、簡潔な内容、そしてその参考の仕方はまさに事典の名にふさわしいです。１冊おいておけば必ず役に立つでしょう。２３００円は安いと思います。家事というものは、料理や掃除・育児をするだけではありません。ごみをすてたり、冠婚葬祭のおつきあい、トラブルが起こったときの対処、家のなかで物が壊れたときの対処整理整頓の技術、贈り物をする、歳暮など実に多いのです。全部を把握することは困難なことです。そういう意味で、事典をそばにおいておく必要性があると思います。

　全て読んだわけではないですが、利用できるものとそうでないものとがあります。特に、P.58「むすぶ」にある新聞･雑誌の束の結び方で「引け解けむすび」というのがあるのですが、結び目が新聞の束のヘリできっちり決まらず、ゆるんで、新聞がバラバラになってしまいます。また８の説明で結び目を簡単にほどくことができると書いてありますが、重たい新聞の束を持ち上げたとき、簡単にほどけてしまったら困りますよね。
　そんなわけで、もう一度この本は、利用者の立場にたって、編集しなおした方がいいと思います。