児童文芸協会の前理事長と理事長が選ぶ小学一年生のための
お話１２編

就学前から１年生程度のひらがなを読み始めた子供が
文字を読む楽しさに配慮した本になっています。
作品は、日本の代表的童話作家たち、新美南吉、石森延男、まど・みちお（詩）
イソップ、アンデルセンと説明するまでもない作家の作品、
大人のわたしが読んで、子供に読んでほしいなと思える
日本の作品４つ、詩１つそして、世界の話が２編と
バラエティに富んだ１２編の作品からなっています。

構成は、絵本からのステップアップを意識しているのか
挿絵が３〜４ページに１つと多く、かつ素朴な絵が多いので
とても共感できます。文字も数字以外はふりがなつきで
かつ、難しい漢字がないのでこれも細やかな配慮が感じられます。

同様の童話集と比べると地味な印象がありますが、とても
選者たちの細やかな配慮とそして思いやりを感じます。
また、この１年生版から６年生版まで一貫してある
このシリーズは、もうちょっと難しいのが読みたければ
２年生版などと選べるところがすばらしいです。

なお、２年生版は、島崎藤村、３年生　武者小路実篤、４年生　山本有三・椋鳩十
５年生　宮沢賢治、６年　立松和平とよくもまぁここまで配慮して
構成しているなぁというのが素朴な感動です。

作品自体はすこし古さを感じるものの、母親の読み聞かせから
自分から読んで楽しむ段階にある１年生の作品として
とてもよくできた本だなぁと感心しました。

学校で「１０分間読書」が宿題となっており、毎日同じものばかり読んでいたので、何か適当なものはないかと検索していてこれを見つけました。実際には１０分もかからないのですが、無理なく読める量ですので、お勧めです。