思い出せば、20数年前に駿台予備校で受けた藤田先生の講義に勝る存在はないように思う。藤田師の語り口と記号論による解答には思わず、説得力があった。藤田師が考案した書が既に絶版となっているのは寂しい。
最近目にする「入口」の反対の名前のぼんくら国語カリスマ教師は藤田師の真似をしているに過ぎない。ニセモノは本物にはなりえない。

昔はこの記号読解が受験界を支配した時代がある。著者は駿台国語科の元主任であり、私も実際に教えを受けたことがある。この記号を用いる読解の方法はよく切れる刀ではあるが、使い方を間違えて記号のみに拘泥してしまうと、とたんに偏差値が下がってしまう両刃の剣でもある。したがって向き不向きはあるが、国語の点数の伸び悩んでいる人は一度手にとってみるとよい。ただ、この記号の方法は便利で私は社会人になった今でも使用している。