マンガにする意味無し
★★☆☆☆
私は教材をマンガ化することの有用性に否定派なわけではありません。
しかしながらこの本がマンガであることのメリットは見いだせません。
それどころか、この本が対象としているであろう漢文初学者には有害とすら感じました。
以下に理由を書かせていただきます。
1 この本と同じ学研から出版されている漢文ヤマのヤマ(以後ヤマ)の見だし、例文、解説をそのまま使っている。
ヤマの解説文を小分けにしてキャラクターの吹き出しに当てているだけなので、これで理解できるのであれば、ヤマを用いた方が良い。(ヤマの方には見出の例文の他、この本に載っていない練習問題があるため深く学習できる。)
2 この本の性質上、あきらかに漢文初心者向けであるはずなのに、一番大切な返り点や訳に誤植がある。今日(2010/2/9)、第2刷発行(2009/3刷)版を購入して、ざっと見ただけですが列記しておきます。
p37例文 及と春の間にレ点がない。
p43例文 再読文字の『なんぞ(蓋のくさかんむり無し)』の二回目の送りがなが『ル』で三点がつかなければならないところ、『ルシ』になっている。これなんかは三点をシに見間違えているのでは?と思ってしまう→結果書いた人もチェックした人も漢文を全くしらない→他の例文も大丈夫か?と勉強に暗雲をもたらせます。
p262 見だしの意味が『なんと・・・なことよ』のはずが、『なんと・・・や』になっている。
上のp43から突然p262にジャンプしているのは、その間誤植が見つからなかったわけではなくp43でこの本に疑惑を持ち最後の見だしにいったところ、そこでも誤植を発見し驚いた次第です。
長文な上、読みづらいレビューであることご了承ください。
寧 読 山 無 読 漫 画