字数無制限形式の論述問題(大学院試験過去問の類題)と、解答・解説が記されている本。実際の試験で解答に倣って記述していてはとても時間が足りないであろうが、“やや長すぎる模範解答”と捉え、自分で要約すれば大きな力になる。辞典や心理学の解説書などを通読していても、実際に論述問題を解答するのは至難の業である。この本は、論述問題にはどう答えれば良いか、という問いに対しある程度のフォーマットを提供してくれる。
また、それぞれの問題には明確なテーマが設定されており(恐らく意図的に)解答を読むことで、そのテーマに関する“流れ”を掴むことが出来る。難点は、出題範囲が比較的狭いことであるが、其処まで要求するのは贅沢だろう。
大学院受験に当たって、私が非常に重宝した本である。大学院受験のみならず、臨床心理士の受験まで長く使える本だと思う。