Andy Warhol Portraits
価格: ¥3,868
ウォーホルが手がけた著名人のポートレート300点以上を集めた初めての本。
「みんなが自分の友人という気がするんだ」――アンディ・ウォーホル
アンディ・ウォーホルと言えば、一般の人は、マリリンやジャクリーヌの肖像画、変化し続ける自画像など、有名人を描いたアーティストだと思っている。だが、あまり知られていないが、彼は社交界の名士や美術商、収集家、政治家、ファッションデザイナー、当代のカリスマ的人物の肖像画も描いている。その多くは、ウォーホルの多様な芸術活動の資金集めのために委託制作されたものだった。本書は、ウォーホルが手がけた肖像画を一堂に集めた初の本。
本書は、ウォーホルが手がけた多数の有名人のポートレートを初めて1冊にまとめた本で、300点を超える収録作品のなかには、熱烈なファンにさえあまり知られていない作品もある。
『Andy Warhol Portraits』は2005年に行われたニューヨークのトニー・シャフラジ・ギャラリーの肖像画展から生まれた。シャフラジは1979年から80年にかけてホイットニー美術館で開催された「アンディ・ウォーホル 70年代の肖像画展」の独創性に富んだ作品を高く評価していた。ホイットニー美術館での展覧会は、ウォーホルが「ファクトリー」での多様な活動にあてる費用を補う手段として、1970年代の初頭に始めた委託制作の肖像画を多数紹介した初めての展覧会だった。シャフラジの展覧会にはホイットニー美術館その他で初公開された作品も含まれていた。シャフラジ・ギャラリーの展覧会への理解をさらに深められるうえに、2倍の数の作品が見られるのがこの本だ。
1987年のウォーホルの死から20年。ウォーホルの生涯と今日のポップカルチャーに与えた影響について考えるには、またとない年と言えるだろう。最近「パブリッシャーズ・ウィークリー」に掲載されたシャルロット・アボットへのインタビューを引用すると、「今こそアンディ・ウォーホルの出番なのです。文化の面で、彼は今も変わらず第一人者であり続けています」。
美術史家や評論家たちは長年、このウォーホルの人物画を軽視し続け、議論や研究の対象として、もっとアイコンとしての価値がある1960年代のマリリンやキャンベルスープの連作のほうを好んだ。『Andy Warhol Portraits』には、マーロン・ブランドやエリザベス・テーラー、デニス・ホッパーなどのよく知られた作品に加え、俳優のビル・マーレイやメリル・ストリープ、芸術家仲間のドナルド・ジャッドやサイ・トゥオンブリ、ロイヤルファミリーのダイアナ元妃やキャロライン王女などを描いたあまり知られていない肖像画も収録されている。他にも、プリンスやドリー・パートンなどのミュージシャンや、ダイアン・フォン・ファステンバーグやジョルジュ・アルマーニら、ファッション界のアイコンも多数紹介されている。
トニー・シャフラジの序論に始まり、美術史家で評論家のカーター・ラトフリフとロバート・ローゼンバームのエッセイもあるこの本を読むと、最も謎が多い人物の1人であるにもかかわらず、人を惹きつけ続けるウォーホルのキャリアの多様な側面が分かる。ポップカルチャー愛好家に最適の贈り物。