江戸時代「蘭学」として外国文化そのものを表すほど花開いた学問も”英学”に取って代わられ、現在日本では4技能完璧な学習者は10人ほどではないのか、とさえ言われています。当然本格的に学習しようとする人も多くなく典型的なマイナー言語のひとつなっています。「マイナー→学ぶ人少数→書籍は出しても売れない→辞書もペイしないので出さない・・・」という構図の中で学習者はDutch-Englishに頼るしかないの現状でした。しかし天下の講談社がついに出したのです。
私は小躍りするばかりに喜んで買いました。内容は英和辞典と比較しては酷というもので、満足できるものと思います。もちろん、語法やら例文やらもっと詳しくしたり用例を・・など注文したらきりがありませんが、まずは「出版された」ことを喜んでよいのではないでしょうか。
日蘭学会の協力で完成したこの辞書はこの手のマイナー言語の辞書としては信じがたい破格の廉価でおまけに本格的でメジャー言語の辞書に遜色なし、とくれば買わない手はありません。8年前の出版でいささか旧く・・などというやぼなコメントはできません。とにかく「辞書はあれば良し!」がマイナー言語が背負った宿命ですから。「社会的使命感のもと、日本一の出版社が・・」とコメントをつけたくなる1冊です。