ロシア語検定の３級・４級がどのような感じかをつかむためには有効だと思います。
　ただ、この本だけで合格できるような内容にはなっていません。初受験の方が参考に目を通すといった使い方になると思います。

この対策本は、過去の傾向を示した後に、模擬試験形式で出題しています。
実際に東京ロシア語学院主催の、ロシア語検定の問題そのものにとても近い内容を出題してくれるので対策には十分なものであるといえます。

項目を良く選り分け吟味した後の出題なので、これらを全うに解ければ合格できます。

数詞、移動の動詞はロシア語の文法の中でも相当に難しい部分です。この問題集を使って取り組むだけでも日ごろのロシア語で学んだことの再確認になると思います。

最後に、変化表と、単語集が掲載されています。これらも十分に読んでおけば3級合格する能力をつけることが出来るでしょう。

問題の解説がやや少なめですが、それ以外の部分が充実しています。

ロシア語検定の練習自体は、
主催の東京ロシア語学院から過去問を取り寄せれば事足りる(入手方法はホームページでどうぞ)。
過去問にも解答を見れば簡単な解説がついてるから。
ただ、過去問の取り寄せは切手で料金を要求されるので、
それが面倒くさい！ていう人が手に取る本ですね。
問題で出るフレーズもそのまま記載されている。
まぁ、過去問自体ではない、ていう当たりで貴重というか。
ところで、じっくり教科書で検定の対策をしたいんであれば、
学院の教科書を取り寄せると良い(これも学院のホームページで)。
まぁこれは少々不完全だから、講師がいた方が良い本だけどね。
…あ、ちなみに自分は学院の回し者じゃないよ(笑)
ロシア語検定は４級が七千円、他が八千円とかなり高い。
んで、１年に一回しかないので、受けようという人は、この本の文を見てすぐに飲み込める。
ぐらいの実力をもってて欲しい。落ちたりしたら勿体なさすぎるよ。


…そうそう、何だかアクセントについてご不満の方がいるから一言申し上げておくと、
検定の問題にもアクセントはついてないよ。
だから、アクセントのついた問題に慣れてしまうのは非常に危ない。
記号なしの文を見てアクセントが分からない時は、辞書で確認するクセをつければ良いのだよ。
ロシア語を学ぶ上での基本です。
アクセントなんて現地じゃ全く書いてないよ？ёもеで表記されてるんだから。その辺考えたら、ね。

このレベルの問題を扱っている問題にしては、
ちょっと解説が弱い気がします。
本書の対象である、初級～中級者までの学習者では、
この解説では心もとないと感じました。

特に気になったのは、解説の部分に、
ロシア語において非常に重要なアクセントを示す記号がないことです。
（問題部分にはないのは仕方ないですが）
できれば、問題を除くすべての部分に、アクセント記号があればよかったと思います。
加えて、もう少し問題数が多ければよいと感じました。

ただ、こういったロシア語学習関連の書籍は貴重なので、
その辺を考慮して星３つ。