ところで、「あれちゃうちゃうちゃう?」
非関西人であれば一度くらいは「なぜだろう?」と考えたことがあるこれらの誤解を払拭するところからこの講義は出発します。
今までにも関西弁の会話集や語彙集等が数多く出版されていますが、この本の最大の特色は、関西弁を共通語とは異なる独立した一言語(外国語に近い立場)として捉えている点にあります。
関西弁の音声学、関西弁の統語論などの章を立てて、今までの類似本とは一線を画した個性的な内容になっています。特に共通語とは大きく異なる関西弁のアクセント、イントネーションの解説には力が入っており、お笑いタレントの使用言語のみではない関西弁を今一度真摯な態度で見つめ直し勉強してみようという筆者の提案は今更ながらに新鮮です。
国際化という言葉が叫ばれて久しい今日ですが、今一度日本国内に存在する多様性にも目を向ける必要性を痛感させられる一冊でもあります。