反映されないから、あまり問題ではないだろう。
誌面の構成は、小学館版は解説の量が豊富で、写真は要所要所を押さえている
という感じであるのに対し、本書(昭文社版)はほとんどの遺産の
写真が掲載されており、特に有名な遺産については見開きサイズで
大きな写真を見ることができる。かわりに、解説はややあっさりしている。
本書は解説の質・量と、見開き平均7枚のビジュアルがふんだんにもりこまれていて、
世界遺産の体系的な資料としたり、あるいはきれいな写真を楽しむのに
最適な一冊だと思う。
なお、本書は洋書の翻訳である。訳はこなれていて読みやすく、歴史用語も
最近の高校の教科書とほぼ同じで信頼が置ける。
ただ、登録年・正式な登録名の記載が無いことが、本書の資料的価値を
幾分下げてしまっているようで残念なので、星4つとしたい。
今後登録される世界遺産については、ユネスコが毎年発行する『世界遺産年報』
を買い足していけばいいと思う。