マレーシアという国とそこでの暮らしは、数回の旅行でリゾートやクアラルンプールを訪ねただけではわからない、”多民族・多宗教国家であるマレーシア”の複雑さがあると以前から感じていました。 現地のエコツアーなどを利用してカンポン(村)を訪ねたり、街でそこに住む人と少しばかりの話をしてみても知りえない奥深さがたくさんありました。
そんなマレーシアの姿を、現地で日本語を教え、日本との交流を図る現場の視点で書かれた本書が、この奥深さの一端を垣間見せてくれるとともに、いっそうマレーシアを好きになるきっかけになると思います。
また愛情こそあれ、偏りの無い目でマレーシアのさまざまを、素直に表している著者の人柄が感じられる作品です。 惜しむらくは、登場する地名の入ったマレーシアの地図があれば、いっそう良かったと思いました。