目からうろこ
★★★★☆
スリランカというとこれまで、民族闘争が激しい危ない国というイメージが強かったが、実際に長年、様々な立場で、ひとりの住民として等身大でスリランカの人々を見つめる筆者の目線に共感を覚え、スリランカのことをもっと知りたいと思わせてくれる一冊である。
一部の方では、国際協力を目指して飛び込んだスリランカでの失敗談も余すところ無く赤裸々に表現しており、これから、国際協力を目指す人々に年齢を超えて参考になるように感じた。読みながら、私だったら、どうしただろうと考えさせる記述も多い。10年間の滞在から異文化社会で如何に折り合いをつけて共存してきたか、そして、自分にどのような納得の付け方をしてスリランカを離れたのかは、行間からあふれ、他の国に滞在した経験を持つ自分の当時の感情がよみがえり、久しぶりに感動する書物に触れることができた。