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アイルランド歴史紀行 (ちくま学芸文庫)

価格: ¥136
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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気楽に読めるアイルランドの歴史 ★★★★☆
ユーラシア大陸を挟んで日本とアイルランドは両端に位置している。遠く小さな国であるにもかかわらず、日本人の関心は昔も今も高いようだ。日本の唱歌となったアイルランド民謡、エンヤに代表されるケルト音楽、J.ジョイスなどの文学そして古代の巨石遺跡など。

著者は現地を旅していくつかの章に纏めて記述している。実際に触れた土地の風土・風物や人々の気質などが丁寧に描かれて、そこからアイルランドの歴史が語られる。
アイルランドはローマ帝国の傘下に入らず、帝国崩壊後にキリスト教化した。キリスト教の受容にあたって、異教とされる過去の信仰を色濃く残しているようである。この辺りが仏教の受容にあたっての日本の態度と似ており、親近感の一つの理由なのかもしれない。
なお、明治維新以降、日本はアイルランドに政治的理由から様々な形で関心がもたれ、研究された面があったこともさり気なく触れている。

本書は、小冊子であるがアイルランドの風土、人、歴史を知るのに優れている。アイルランドに関心のある方にお勧めする、但し、約20年前の出版であり、手に入りにくくなっているのが残念である。また、アイルランドの最近の事情については他の著書に譲ることになる。
面白くし、ためになる。 ★★★★★
数あるアイルランド本のなかでも出色の一冊。

なにしろ、話題が豊富だ。それも、ツポにハマる話題ばかりで、大いに楽しみつつ、アイルランドについて学ぶことができた。

時系列に史実を並べた歴史本とは違って、こんにちとの関わりから話を進めていく手法がとられているので、とてもわかりやすい。

理知的な合理主義者ホームズを生んだコナン・ドイルが子供だましの妖精写真にひっかかった背景など、「そうだったのか」と思わず声を上げてしまった。

この本は再刊するべき。