人間の一生を四季のうつろいになぞらえてお話が展開されています。私たちの一生は、人生の準備期間である冬からはじまり、自然体で成長を続ける青年期＝春、たくましく生きる壮年期＝夏を経て、美しく色づく人生の秋を迎えるとのこと。春からはじまり冬で終わると、なんとなく寂しく思っていた私にとっては、目から鱗…。勇気をいただくと同時に背筋がしゃんとした思いでした。また、四季折々のお花の魅力といかし方を具体的にお話しくださっているのですが、それが自分という「個」をどういかすかのヒントへと導かれ、そこから組織における「人の活かし方」へとイメージが広がっていくことには驚きさえありました。見極める、本質を際立たせる、引き算、花は空間によって意味づけられ、同時に花は空間の見方を変えてしまうなど、ドラッカーを読んだ時にも感じたような深い感動がありました。
この本は、主として女性の読者の方を想定して書かれたものかもわかりませんが、読者の人生経験でいかようにも広がりを持つ内容だと思います。つまり、文化の持つ力や、普遍的なものがちりばめられているということでしょう。男性管理職にもぜひ読んでいただきたい一冊です。
日本に生まれてよかったと誇りと自信を取り戻させてくれる一冊でもあると思います。

「新進気鋭の華道家が語る、毎日を美しく生きるヒント集」・・・素敵なお写真とともに帯にはこのようなコピーが書かれていました。おススメです！