インプラントや矯正に必要な歯列の立体位置関係の把握には、奥行き情報も必要となる。そこでステレオアナグリフでの3D表示が有用である。アナグリフを印象的にするには、急スピードで画面に向かってくる動作や、上下左右移動の大きい動作が向く。フライスルーのシーン設定時に場面変化に緩急をつけるとよい。
肺癌の腫瘍部位にROIを設定し、胸部CTボリュームレンダリング像に重畳(フュージョン)表示した。[裁断]ツールにより気管支と肺癌の位置が鮮明に観察できる。これを動静脈相とフュージョンすれば肺切除術の切除範囲の決定に有用である。
腸間膜が異常回転し、生じた絞扼性イレウス症例。皮膚から拡張腸管、血管を順に重畳(フュージョン)しながら描出した。イレウスの原因となっている腸間膜のねじれ部位がよくわかる。皮膚から原因病巣までレンダリング表示することで、緊急手術時に開腹する皮膚切開の位置をあらかじめ予想できた。
16-bit CLUTにより大腸を透明青色、骨を白色、血管を赤色、肝臓を黄色に設定。皮膚も透明の青色で描出した。このように16-bit CLUTを設定するには、空気との境界(皮膚や気管、消化管ガスなど)の透過度を低めに調整し、シェーディング機能でエッジを強調するとよい。
Invert method(白黒逆転)を用いて仮想動脈内視鏡を作成。造影CTの2Dビューアで[プラグイン]メニューの[イメージフィルタ]-[Invert Data]を選択すれば、CT値が白黒逆転し、仮想内視鏡作成が容易になる。