ひとりで生きる勇気をもらえる
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友人から「文章がすごくいいから!」と強くすすめられ、パリにもル・コルドンブルーにもさほど興味はなかったので半信半疑で読みはじめたのですが……。夢中で読みふけり、何度も読み返して、いまや大事な本の一冊になりました。女ひとり、安定した職を手放して、パリでいちからお菓子修行。しかもフランス語は初心者。どうなることかと読んでいてハラハラしてしまうのですが、何とかなってしまう。心から好きなことをいっしんにやっていれば、道は拓けてくるんだなあと思いました。いろんな人とのエピソードも心にのこります。なかでもフィンランド人のシングルマザーとの出会いは、こんなふうに会ったばかりの人と付き合えるなんて、素敵だなあとしみじみします。
「黙らせサブレ」は最高です!
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他の方のレビューにもあるように、著者の地に足の着いた、パリでの堅実な生活ぶりが描かれています。華やかなパリのイメージだけを想像している人には、ちょっとそのイメージを裏切られる内容かもしれません。
おいしそうな料理のレシピがあまり書かれていないのは残念ですが、お料理が得意な方であれば再現可能だと思います。
本に載っている「黙らせサブレ」は私も何度も作り、お気に入りのレシピになっています。差し入れにも好評で、「食べ過ぎて太った」というクレーム(?)をもらいました。
お菓子を作ろう。
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しばらく休んでいたお菓子作りを再開したくなりました。
おやつって、食べるのも作るのも楽しいって事でしょう!
生活が感じられます
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芸能人の派手な旅行記ではなく、一般読者と同じ目の高さで同じものを体験、それがとても気持ちの良い読みやすい文章で書かれています。まっすぐ読み手に響く、というのかな。
特に、前半の不動産探し/購入のくだりは同じ経験(海外で独身で資産購入!)をしたものとしては通じるものがありました。
「契約日のファラフェル」の章なんて、何度読んでも「うんうん!」とうなずけ、見たことの無い「ファラフェル」なんて食べ物にも親近感が沸く始末。
とはいえ、同じ経験が無い方でも楽しめる章がたくさん。
フランスにあこがれている人もそうでない人も、自分探ししたい人もそうでない人も、「えいやっ!」と信念ひとつをカバンに詰めて飛び出した著者の「この次」にどんどん引き込まれていくはずです。
ベタですが、「夢」がある限り、人間、強くなれるもんだなぁ、と思いました。
自立するパワー、というと大げさですが、なんだか大きなベクトルを感じ取れますよ。
写真がもう少しあるのかと期待していたのですが、それがなかったのが残念でした。
折角各章のタイトルが食べ物がらみになっているので、その食べ物の写真があればな、と思いました。
体当たり海外生活
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自分がしたい仕事ってこれではないかもしれない、と思う時って誰でもありますよね?でも進路変更するのはすごく勇気がいる。それを行った人の体験談。パリ生活の浮き沈みが軽快なテンポで書かれていて、面白いです。
沢山エッセイがあってどれも内容は濃いのですが、個人的に印象に残ったのは大将のパスタ方程式。フィンランドのホステルで出会ったイタリア人大将”ルカ”さんが中華なべ一杯に作ってくれるパスタの話。非常に美味しそうで、パスタはゆで時間2分前に取り出すというのを実行したくなる。それからバゲット・バトン。筆者がダイエット高じて女性専用”ラ・パリジェンヌ”という市内マラソンに参加してしまう話で、景品にバラ一輪がはいるのがとても素敵。
笑いながら、共感しながら、読める一冊だと思います。
ただ、レシピは殆ど出てこないので、お菓子作りの実用書としては不向きかも?