今まで何気なく見ていた野草に食を通じて興味を持ちました。野菜や果樹、ハーブ、バラ、ガーデニングなどの本は多数持っていますが、この手の本としては最初のものです。入手の目的が、目の前にある野草の特定にあるので、他のレビューを見て買いましたが、納得とイマイチがそれぞれあります。納得は、編集方針の確かさ、きめ細やかさだろうと思いますが、生態や特徴など詳しく書かれており、解説項目も、「採集時期」「下ごしらえ」「食べ方」「薬用」と実用的な知識が適切に記されています。また野草を食用にという時に最も注意すべき類似する毒草との違いなどの情報写真もかなり詳しく併記してあって、好感と信頼性を感じました。構成は季節毎に、早春・春・夏・秋と採集する時期にあわせてまとめてあるのも使い勝手がよいと思いました。採集して食べるということをコンセプトにしているためか、器に盛られた調理済みの写真も少なくなく、料理の本としての観点からもなかなか凝った内容です。おそらく家庭画報を出している「世界文化社」という出版社の情報蓄積もあるのでしょう。巻末には「薬草として山菜・野草を味わう」という文章も実際の食の場面では役立ちそうです。そのほか、「健康茶」「薬用酒」についても効用や作り方が興味をひきました。各地の山菜料理店の紹介も役立ちそうです。イマイチ残念なのは、判型が小さくページ数も159頁とそれほどでもないためか、写真が小さく細部がわかりにくく、初めての野草を確実に特定して安心して食べるためには少し不満が残ります。写真を増やすとか拡大写真を載せるとかイラストを併用するとかすればもっと満足度は高まったかも。この点は別にまた図鑑的なものを買うつもりです。おいしく食べる山菜・野草―採り方・食べ方・効能がわかる (別冊家庭画報)

ヨモギと葛の芽を食べようと思って、あわてて書店に走り、山菜関連の本で食べ方まで書いてある本ばかり10冊くらいに目を通しましたが、この本に一番食欲をそそられました。また、「山菜の素人だけど、これなら大丈夫だろう」という安心感を与えてくれました。
各山菜の採り方、食べ方、効能が丁寧に書かれています。掲載されている写真の１枚１枚に説明書きがついていて、わかりやすかったです。間違えやすい毒草、身近に生えている毒草についても解説があります。巻末に山菜料理の基本がまとめてあるので、応用も利きそうです。そのほか、薬草・薬用酒・健康茶の作り方・飲み方、山菜採りの基本やマナー、山菜を採ったあとの保存方法についても巻末に説明がありました。
おかげさまで、無事にヨモギと葛の芽を食べることができました。自信を持って食卓に出すことができ、家族にも好評でした。とても美味しかったです。
うちの家のまん前にタンポポとツユクサとユキノシタが生えているのですが、これも食べようと思えば食べられるんだと知って驚きました（あまりきれいな場所ではないので摘んで食べる気はしませんが）。他にもツクシ、ドクダミ、イタドリ、レンゲソウ、カラスノエンドウあたりはよく見かけるし、自分でも見分けられそうなので、機会があったら挑戦してみたいです。