たとえば、ターミナル駅近くの不動産会社と地域密着型の小さめの店をどのように使い分ければ効率良く部屋探しが行えるか、家賃や礼金の値引き交渉はどのタイミングで行うと成功率が高いかなどといった、現場を知っているからこそ可能なアドバイスには目からウロコが落ちる思いがする。また、退室時に敷金から差し引かれる修繕費などについて、本来借り主が負担する必要のない範囲の費用まで、慣行として請求している大家が多いという事実に悔しい思いをする読者も多いはずだ。差し迫って賃貸物件を探す必要がないという人にも、第7章の「退室時のノウハウ 敷金返却のポイント、すべて教えます!」は、一読をおすすめしたい。
借り手市場と言われながらも、その実状を知らないがために、割高な家賃を負担させられているケースも多いという。適正価格の快適な部屋を見つけるために、必要な知識が過不足なく詰まったガイドブックである。(朝倉真弓)