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犬の行動学 (中公文庫)

価格: ¥843
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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刷り込み論は必読(しかしどうでもいい記述もある)。 ★★★☆☆
犬の本質論に迫ろうとする、著者の視点には好感が持てる。
犬の生態や行動の意味について考える上で、参考になることは請け合いである。
あやしい“しつけ本”を読んでいる暇があれば、犬の散歩に時間を費やしたほうが
いい、と飼い主に自省させてくれる迫力がある。

ただし難点もある。(飼育下の)ディンゴの観察に基づいて書かれた箇所が多く、
一般の犬の生態に当てはまるとは思えない論点も少なくない。
(ディンゴとは、ご存知のように、オーストラリアの野生犬である。)
よって、<<犬の行動学>>というタイトルのわりには、きわめて偏りのある本、という見方もできる。
翻訳のせいなのかもしれないが、全体としてやや固いタッチの表記が目立ち、
すんなり読めるような本ではない。むしろ読み物としては「途中でつらくなる」
部類の本である。個人的な見解から言えば、読み飛ばしていいページも少なくない。
とはいっても、実体験に基づいて書かれているので、釣り込まれるようにして読める
部分もある。

白眉なのは、刷り込みについて詳しく解説されている第1章。ここは必読である。
なお、本書を購読する人に、イチ押しの本がある。
『犬は「しつけ」で育てるな!』(堀明、築地書館)では、
刷り込み論の独自データを開示し、説得力を持って解析しているだけでなく、
犬の攻撃性や階層について、きわめて興味深いエピソードを読むことができる。
併せて読むと、犬の生態についての理解が俄然深まるだろう。
犬は「しつけ」で育てるな! 群れの観察と動物行動学からわかったイヌの生態

さて、総合評価だが、星4つにしてもいいのだが、レビュアーの評価がやや高すぎる
気がするので、あえて3つにさせていただいた。
しつけ本よりはるかに有意義な一冊 ★★★★☆
「ペットとしての犬」に焦点が当てられる「しつけ」について書かれた本ではなく「動物としての犬」に焦点が当てられている一冊。
その習性などが詳しく記載されており、行動学を知りたい人には必携の書となると思う。
また、犬の習性を調べるために狼の研究をする研究者もいるが、本書ではペットとしてではないにしろ、犬の研究のために犬を用いてる点も高評価されるべき点。

行動・心理系の書物は数冊目を通したが、もっとも犬のことを客観的に記した一冊であると思う。
ただ、あくまで動物としての犬に焦点を当てているため、ペットとしての犬、作業動物としての犬、に関する情報を欲しい人には不十分な内容とも言える。
エルクハウンドを用いた研究であるなら、もう少し踏み込んだ内容も記載できるのではないかと思うが…。
その点を考慮して星は一つ減らした。

犬は犬であって’癒しもの’ではない ★★★★★
家庭犬という枠ではなく「犬」という種族について書かれた本といっていいと思う。
この本はかなり前に書かれたものだが、その時すでに犬に関する商業的な部分への危惧を著わしている。
また、子犬の時期がいかに大切か、それも、一般に引渡しの時期とされている2~3ヶ月までの時期がどんなに大切かがわかる。
セリにかけられ店頭でさらしものになった犬が問題犬になる傾向が高いといわれるのもこの本を読むとうなづける。
犬の本音がわかる本 ★★★★★
この本は著者が学者だからこその価値があります。
飼主が愛犬とどのように向き合うべきか書かれた本は多数世に存在しますが、殆どは犬を良い方向に導く事を前提に活動されている方々が経験を元に著されたものです。
これらの著作と本書の大きな違いは、ある意味生体実験と呼んでも良い多くの研究とその成果に基づいた事実を根拠に理論展開している事です。
例えば、育成過程や教育課程において、あえてその個体やグループに特定の経験をさせない事で犬の行動にどんな影響が出るのかといった、目の前の飼犬やクライアントの犬を向上させようという枠組みの中では絶対出来ない事から得られた成果を元にしているわけです。
これは、一部の奉仕者ではなく人と犬全体に成果を提供する研究者だからこそ可能で、また許される行為です。
こうした特別な方法で得た情報から、経験則で語られてきた犬との接し方に合理的な解釈を試みています。
一部、我が国の犬に対する接し方愛し方の常識とかけ離れた、欧米ならではの家畜としての犬観が登場し、読み手によってはショッキングに感じる記述があるかもしれませんが、論文調の文章が苦手で無い飼い主は是非お読みいただきたい。
犬と接する中で絶えず湧いてくる疑問に、少なからず答えを出してくれるはずです。
和犬の飼い主にも◎です。 ★★★★☆
「ペットとしての犬」でなく「動物としての犬」について書いてある貴重な本。
街なかで飼う以上、まともな犬の暮らしをさせてはやれないのが現実ですが、それでも少しでも犬本来の暮らしをさせてやりたい、と思う私にはとても勉強になりました。

著者は欧州人ですから、ここで言う「犬」は当然「洋犬」のことです。

我が家では先代は柴犬を、今はコーギーを飼っていますが、和犬と洋犬では性格や行動にかなりの違いがあります。もちろん個体差があるとは思いますが、柴犬のきょうだい犬、コーギーのきょうだい犬の飼い主の話を聞いても、共通する部分が多いのです。

しかし和犬を飼っている人にも、この本は参考になると思います。和犬の方が野性を残しているから、むしろ洋犬よりも和犬に当てはまる記述が多いようです。

使役犬についての記述がないのが個人的には残念。