行動・心理系の書物は数冊目を通したが、もっとも犬のことを客観的に記した一冊であると思う。
ただ、あくまで動物としての犬に焦点を当てているため、ペットとしての犬、作業動物としての犬、に関する情報を欲しい人には不十分な内容とも言える。
エルクハウンドを用いた研究であるなら、もう少し踏み込んだ内容も記載できるのではないかと思うが…。
その点を考慮して星は一つ減らした。
著者は欧州人ですから、ここで言う「犬」は当然「洋犬」のことです。
我が家では先代は柴犬を、今はコーギーを飼っていますが、和犬と洋犬では性格や行動にかなりの違いがあります。もちろん個体差があるとは思いますが、柴犬のきょうだい犬、コーギーのきょうだい犬の飼い主の話を聞いても、共通する部分が多いのです。
しかし和犬を飼っている人にも、この本は参考になると思います。和犬の方が野性を残しているから、むしろ洋犬よりも和犬に当てはまる記述が多いようです。
使役犬についての記述がないのが個人的には残念。