怖すぎる肺気腫の末期
★★★☆☆
私は常習的なスモーカーではないが、週に1、2回、5、6本吸ってしまう。本書は、結核や肺炎、誤嚥など一通り肺疾患について紹介しているが、核心的なメッセージはずばり、喫煙者に「あなた息苦しく死にたいですか?」と訴えるものだ。本書を読んでやめないとなあ……と感じさせられた。肺気腫などCOPDの末期はむごい。タバコでダメージを受けた肺機能は一生回復しない。十分に呼吸できなくなると、酸素ボンベを担いで生活するのだが、運動できないのはもちろん、食事も会話も息苦しい。ちょっと風邪を引いたら呼吸困難でもう命取り、しゃべれないので、病室で「しなせてください」と文字盤に指さす……「こんなに苦しむと知ってたら吸わなかった」とか、死ぬ前に「止めなかったんだから自業自得」など患者の言葉を聞くとつらい。尿管結石よりもはるかに苦しい、二度と良くならないという苦しみから、うつや自暴自棄になる患者も多いという。
禁煙外来が求める指数には遠く及ばず、「喫煙者」の域には達していないが、本書を読んでやめたい、という気持ちになる。せめて本数はさらに減らそうか。憩いの気持ちになるのだが…迷う所が意志の弱さではあるが。