オブジェクト指向、構造化設計といった様々な設計・開発手法を絶対化せずよいところは柔軟に採用しましょうという、穏健派の良心的著作。先端の技術を追いかける開発者にとっては古くさい話が多いように感じられますが、32章だけでも読む価値は十分にあります(英米の経験主義、良質のプラグマチズムといったものを感じます。「認識の有限性」というテーマは「複雑系」にもつながっており決して「穏健」という言葉でくくれないのですが)。
ありがたいのは本書が参考文献のアーカイブともなっておりこれを基に興味の方向を拡大していけることです。ただし邦訳が出ている著作について邦訳名が記載されていないのも多く、Amazonで英語名で検索して、邦訳名を確認することが必要でしょう(ということで1個落としました)。