INORAN（ギター）とKEN（ボーカル）を中心とする“FAKE？”の2004年1月に行われたライヴ映像を収めた本作を観て感じることは、このバンドが確実に世界標準のクオリティを獲得している、ということだ。ヘビィ・ロック、メロコア、テクノなどの要素を取り入れたバンド・サウンドも良質だが、やはり、アグレッシブなライブ・パフォーマンスこそが彼らの最大の武器。演出らしい演出はほとんどなくひたすら演奏するだけという簡素なステージングにも関わらず、グイグイと熱狂的な空気を作り出していくFAKE？のライヴは、日本のバンドにはないスケール感をたたえていると思う。
   DISC2には、KENとINORANのロングインタビューを収録。音楽をはじめたきっかけ、曲の作り方、ライヴに対する考え方、バンドの現状と将来的な展望、お互いの印象といった多岐にわたる質問によってFAKE？の特異性がくっきりと浮かび上がってくるインタビュー内容は、かなり貴重。（森 朋之）