sendmailといえば、蝙蝠本が定番ですが、
間違っても初心者向けではない本です。

本書には、実践的な内容は多くのサンプルとともに解説されていて、
初めてsendmailを立ち上げる方にもおすすめです。
最近ではOS付属のsendmailのデフォルト設定も改善されたので、
そのままでも問題なく運用できるケースもありますが、

著者が実際にsendmailによるメールサーバを運用することで蓄えたノウハウが満載されている本書を読めば、
いろいろな設定を追加したくなることは請け合いです。(笑)

また、本書の大きな特徴は、sendmailに付属しているm4 cf(sendmail.cfの作成ツール)について日本語で解説している事でしょう。
WIDE CFが過去のものになり、新バージョンで追加された機能の設定に

不自由が生じていても、
膨大な設定項目のあまり、m4 cfへの移行に躊躇している方も多くいらっしゃると思います。
かくいう私もその一人だった訳ですが、
本書に併記されたWIDE CFとm4 cfでの設定例を見比べながら設定ファイルを書き、
sendmailのテストモード(この使い方も本書に記述があります)で試験して移行したサーバも
今では片手では数えられません。

他のメールエージェントの解説書では、「sendmailは難しい」が合言葉(?)のようになっていますが、
実現したい機能によっては、必ずしもそうではなく、
他のメールエージェントをお使いの方も、
本書をご覧になってsendmailの実際の設定方法を知っておくのも
決して損ではないと思います。

業務でsendmailを使ったサーバを構築することになったときに読みました。その際に、現在稼動しているシステムと入れ替える必要があり、事前テストを確実にこなしてから導入する必要がありました。
その際に、参考にしたのが本書のテストと実行という章です。

設定やsendmailとはなんぞやというものに関して詳細に記載してあるものは多いですが、実際の運用を考えると事前のテストは非常にためになりました。今でも愛読しております。

　この本には「とりあえず」sendmailを動作させ、セキュリティ設定を行う為の情報が掲載されています。sendmailをとりあえず知るための本として最適でしょう。ただし、設定を進めていく中で必ずといっていいほど他の情報が必要になります。また、WIDEのCFとcfがそれぞれ解説してありますので多くの場面で活用できると思います。

WIDE-CFとsendmail付属のcfツールを使って、基本から実用レベルまでセキュリティを高める設定が、具体的に書かれている。これだけで、とりあえずのメールサーバー構築は可能です。インストール関連の情報が少ないので、それは別に情報を求めた方がいいかも。