そのプライバシーマークに関して、なぜ認定取得を目指す企業や団体が多くなっているのか、認定取得のメリットとデメリットとはなにかなどの基本を明らかにし、そのポイントと、認定取得までのスケジュールやコストを明らかにしているのが本書である。
全6章のうち、後半の4章以降に、実際に認定取得に取りかかる際のステップやスケジュール、そして、各業界がどのような取り組みを行っているのかなどといった現実が詳細に書かれている。しかし、秀逸なのが前半の3章。プライバシーマークの基礎知識や、なぜ注目されているのかといった背景、ISMSとプライバシーマークとの違いなどがはっきりと理解できるようになっている。また、取得したのちにかかるコストや、取得したからといって売り上げに直接貢献するわけではないなどといった、はじめに知っておくべき現実を目の当たりにさせてくれる点も魅力である。取得に際する心構えや目的を明確にさせておくためにも、ぜひ飛ばさずに読んでほしい。
そもそも、プライバシーマークがなじみにくいのは、カタカナの専門用語が多すぎるからというのも一因であろう。ひとつひとつ丁寧に解説している本書は、企業経営者や、個人情報を管理する部署で働くすべての人に一読をおすすめできる内容になっている。――2003年7月(朝倉真弓)
内容が薄い感がある。この書籍のほか2冊ある同種の書籍に比較すると入門中の入門という位置づけといえる。