各種「司法改革」の行く末を見守るために。
★★★★☆
基本的に「記録」なので、読み通すのはしんどい。故に星4つ止まり。が、裁判員制度にも対応するために「検事取調べを録画」が検察庁の方針として固まった今、もういちどそういった「証拠」等の取り扱い方、扱われ方を考えてみるのに参考になるような気がする。弁護士同士の交渉が脅迫に当たるのか、という問題もさりながら、検察側がこの事件で証拠として上げた録音テープが、検察側に都合よく編集(切り張り)されたものであったという点に今は注目したい。事件当時はアナログ的記録方法だったので切り張りも発見しえたが、デジタル技術が進んだ今、同様の証拠捏造がされた場合どうなるだろうか、などなど。
本自体、重量も内容も結構重いので、同じ出版社の「はぐれ弁護士「生贄」の記―山口組元顧問弁護士述懐」とあわせて読むと流れや理解は進むだろう。