クライアントにWindowsやMacが混在するサーバーOSといえば、フリーのOSであるFreeBSDやLinuxなどが挙げられるだろう。費用があまりかからず、手持ちのWindowsマシンにインストールできる手軽さもあり、PC-UNIXを使ったサーバー構築に関する入門書が数多く出版されている。
本書は、システムに採用されることの多いFreeBSDサーバーのシステム運用の実際を解説したものである。システム運用の際、必要となる基本的な技術やあまり紹介されていない重要なトピックなどについて焦点を絞って述べているので、システム管理の初心者から上級者まで参考にできる内容となっている。
本書の主な内容は、以下のとおり。
- システム管理の鉄則や著者の組織の買収/合併/オフィス移転等の経験談
- ネットワークの動作や設定が理解できるように、IPネットワークの設定に必要なコマンドやファイル
- cron、inetd、namedなどシステム上で重要な役割を持つデーモンの管理
- 日常のシステム管理でチェックするべきログの管理
- FreeBSDにおけるプリンターの使用法や日本語出力、GhostScriptによるPostScriptのエミュレーションについて
- サーバーのアップデート時に必要なカーネルの構築方法、フルビルドの方法、セキュリティパッチのあて方、CVSupによるSTABLEのアップデート方法
- テープドライブを接続して、またネットワーク経由でテープドライブにバックアップを行う方法
- SNMPを使用したネットワークの管理
- SSHによるネットワーク管理
- chrootとchrootを強化したjailによるセキュリティ管理
入門書でよく取り上げられるDNS、sendmail、NFS、SAMBA、netatalk等の技術については触れられていないので、他の解説書を参照すると良いだろう。FreeBSDのサーバーを安定運用したい管理者へおすすめしたい。(大塚佳樹)