形を教えてくれる
★★★★☆
この大幅に改訂された第三版は、450ページを超える分厚い本になりました。とくに、裾を Core data、OpenGL、WebKit などまで広げたとは、嬉しくさせてくれる充実さである。
CやC++のプログラマを想定しているので、初心者にやさしいとは言えない。まして、一部のクラス名が意地悪ように長いので、目を通すだけでも辛いと感じられるだろう。
だからといって初心者はこの本を敬遠するべきかというとそうではない。そもそも前知識を必要としないプログラミング言語はないから、一から理解しながら学んでいくという贅沢を見捨てることができれば、この本から大事なものが学べる。それは”形”であると私は思う。
ページをめくりながらソースを打ち込んでいくだけで、立派なアプリケーションができあがる。体験しながら色々な手法や仕組みに慣れていき、それらの手法を組み合わせることで自分のオリジナル作品ができるようになれる。それほど掲載されているソースコードが形になっている。つまり、形から入って筋道を体得することに具合のいい一冊と言えるのだ。