アップグレードの基本が簡潔に書かれている
★★★★☆
NTドメインからActive Direcotoryへの移行に特化した本というのはあまり多くはないので、ある種貴重な一冊。
Win2000のリリースから6年が経過した今となっては尚更である。
2004年初版の本だが、Windows2003 ADへの移行まで触れられているので、
現段階(このレビューを書いているのは06/12)でも実戦で使用できる内容である。
移行に際する基本的な方法論・選択肢について、基礎と言える部分はほぼ網羅されている。
ある程度経験を積んだSEであれば、環境・要件を考慮した最短の移行方式を導き出す一助にはなるだろう。
ただし実戦での移行に際しては、細かい要件定義と移行計画が必要であることは言うまでもない。
その意味で言えば、よく問題となる、NetBIOSドメイン名を維持したままの移行などのケースにつき、
実際の現場ではどのように行われているか、など具体的な例まで記載されていればなお良かったのだが。
本書はあくまでも基本的な方法論について簡潔にまとめたものとして捉え、
それをベースに幾通りかの綿密な検証を経て、本番移行に臨むべきである。