日本語による最良の欧州磁器解説書
★★★★☆
独、仏、英を中心とした欧州磁器の解説書。カップとソーサーのみを取り上げているが、西洋磁器に関して日本語で書かれている書物の中で、専門書と呼ぶに足るものは、ほとんど本書一冊のみと言ってよい。小さい本であるため、地域的にも、時代的にも手を広げすぎた感があるが、解説は丁寧であり、細かく読めばかなりの知識を吸収できる。デザインや形状に注目した章立てがユニーク。全ての作品がカラー写真で紹介され、簡潔な解説が加えられている。本書を読んで、より専門的な洋書に興味を感じる読者のために、巻末の文献リストがもう少し充実していたら更によかった。