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鈴木亜久里の挫折―F1チーム破綻の真実 (文春文庫)

価格: ¥3,082
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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F1の難しさは伝わってくる ★★★☆☆
鈴木亜久里が立ち上げたF1チーム、スーパーアグリF1チームの発足から消滅まで
を描いたノンフィクション。

正直なところ、最終的にスポンサーとの交渉が上手く行かずにチームの存続を
断念せざるを得なかった下り等は、報道で伝えられている内容から大差なく、
その辺の核心を知りたかったので少し残念でした。

とは言え、理想に燃えてF1チームを立ち上げたものの、金策に追われ、実際の
チーム運営にタッチできない、する暇が無い。その中で夢破れると言う亜久里の
姿は、知ってはいても涙無くして読むことは出来ません。

完成度はいまひとつですが、一読する価値はあると思います。
オーナーの苦しみ ★★★★★
 スポーツチームのオーナーになるという夢を持つ者は多いと思いますが、その夢を一直線に叶えた、亜久里さんの物語です。
 オーナーになる夢を叶え、その後どうするか、というプランが曖昧だったため、わずか2年で撤退することになってしまいました。
 これは笑い事ではなく、多くの「スポーツチームのオーナーになりたい」という人が、一歩間違えるとたどる道だと思います。オーナーになった後、どうするのか。少なくとも10年、20年は続けられるのか。10年続けるのであれば、どのような志で経営するのか。
 国内でも、野球、サッカーなどで、たびたびオーナーの交代がありますが、きちんと未来を見据えてオーナーを引き受けているのか、今後注目していきたいと思いました。
ある程度知っている方には期待はずれの内容です ★☆☆☆☆
スーパーアグリチームの発足から消滅までを追ったドキュメンタリーです。予備知識のない方には全体を概観できるのでいいかと思いますが、ある程度背景などを知っていて舞台裏を深く知りたいという読者(この本を手に取る方はこちらの方が多いと思いますが)には期待はずれの内容です。
ウェブに出ていることが多くを占め、インタビューをしたのはわずか数名だろうと想像される内容の薄さ。知りたいと思っていた舞台裏はほとんど明かされず、誤字もあり文面も稚拙。読むだけ時間と労力の無駄でした。
スーパーアグリについてあまり知らず概観したい方には薦めますが、より詳しく知りたい方には他の書物をあたることをお勧めします。
「失敗学」として読むか、冒険の記録として読むか ★★★☆☆
 本書は06・07年とフル参戦したが08年シーズン途中で活動休止となった鈴木亜久里のF1チームのドキュメントである。
 本書によるとF1GP参戦には58億円の供託金と年間100億円ほどの活動資金が必要だという。誰が考えてもビジネスとして成立させることは極めて困難であろう。まずは組織運営の失敗を学ぼうという「失敗学」の観点から本書を手に取ったが、彼の強烈な夢とロマンがあらゆるビジネス上の困難を貫いた2年半の大冒険が描かれていた。賞賛すべき活動であった。
 亜久里とともにF1を去っている佐藤琢磨選手のグランプリシーンへの復帰を切に願う。 本書には、チャンピオンクラスのF1ドライバーでもなければ、チームにとっては誰が乗っても同じ、ドライバーについてくるエンジンやスポンサー資金のほうが重要だと書いてある。佐藤選手は01年イギリスF3選手権のチャンピオンであり、なんとあのマカオグランプリも制しているが、確かにF1界だけを見ればそんな経歴の連中はごろごろいるのかも知れない。しかし我々日本人にとってはもう二度と現れない逸材だ。

 本書の内容は可もなく不可もなく。欲を言えば鈴木亜久里の内面への深堀が物足りない。もっと凄まじいドラマがあったはずだ。
挫折??? ★★★★★
本のタイトルは『亜久里の挫折』だが、私は『栄光』の方がふさわしいと思う。
現状では「志しなかば」の撤退も、身を投げうってのF1参戦に心から拍手を贈りたいと思う。
彼はこれで終わるような人間じゃない。
きっとまた我々を驚かすような夢を見せてくれるはず。
80〜90年代のF1ブームで夢を見た人、現代F1で夢を見ている人、そのどちらにもぜひ読んで欲しい。