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空想法律読本

価格: ¥1,260
カテゴリ: 単行本
ブランド: メディアファクトリー
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   本書は「空想○○読本」シリーズの法律編である。今までの「科学」をテーマとした内容とは打って変わって今度は「法律」。いろんなヒーローやロボットたちの科学的な説明をむさぼるように読んだ人はきっと多いに違いない。しかし、「法律」のように文系的要素について考えた人は少ないだろうし、そんなことを載せた本はあまりなかったように思う。果たしてまともに取り扱える要素などあるのかと思いきや、実はいろいろあるようである。

   たとえば「ウルトラマンは器物損壊罪に問われるか?」地球の平和を守るために活動しているウルトラマンだが、怪獣との戦いの際には建造物を大量に破壊している。あまつさえ怪獣を建物にぶつけたりしているシーンも少なくない。これは法的にどうなのか? 20億3000万のバルタン星人を有無を言わさず殺してしまったウルトラマンの罪は? 怪人119人をことごとく蹴り殺した仮面ライダー1号と2号は殺人罪に問われるのか? 今まで無条件で許されると思われていた行為も法治国家のもと、厳密に考えれば十分罪に問われる行為である。さまざまな角度から適用を試みられる憲法、民法、刑法、その他数々の法律。そこから浮かび上がる法律の世界はいろいろな意味で非現実的でもあり、また人間くさくもある。

   普段よく耳にする法律からちょっとマイナーな法律まで、多くの法律・条文が登場し、普通に書かれたら堅苦しく難解な内容を実にわかりやすく解説しているのが本書の最大の特徴である。法律の考え方や法律の正確な内容を知る意味でも、「こんな法律があったのか」と知識を深める意味でも、おもしろい1冊だ。(斎藤牧人)