フランスの戦後美術についての本
★★★★★
この本は、ポンピドゥー・センターのキュレーターであった筆者が、1950年から90年代における、主要な作家へのインタビューを交えつつ、フランスの戦後美術について追った本である。
と、さらりと説明するが、類のない本だと思う。20世紀初頭までフランス―パリは世界の美術の中心地であったが、戦後になるとその座はニューヨークに奪われたといって過言ではないだろう。戦前のフランスについて書かれた本は山のようにあるが、戦後のフランス美術について、体系的に、日本語で書かれた本はほかに読んだことがない。モノクロではあるが図版もあり、フランスにいく予定があり、ポンピドゥーもみたい、ついてはフランス現代美術について一通り知っておきたいという方にも、また戦後の通史を知っておきたい方にもおすすめです。