UNIX環境での開発者のための実用書
★★★★☆
UNIXの「入門」、「実用」に続く「応用」編である。本書では、ネットワーク、日本語コード、シェルファイル、Emacs、LaTeX、Xウィンドウについて書かれている。
ネットワークに関しては、特にリモート・アクセス(remote rogin, remote shell, ファイル共有)に関する説明が役に立つ。私が特に重宝したのは日本語コードの説明である。UNIXを使用していると、どうしてもEUCとSJISを気にしなくてはならないのだが、頭では分かっていてもコーディングの際、迷うしかつ間違う。それを整理するのに役立った。当時としては珍しかったEmacsとLaTeXの説明が適度に入っているのも特徴である。Xウィンドウに関しては、流石に本の一章だけで説明するのは無理があり、別途一冊の本が必要であるが、その入門として簡潔な説明がある。
本シリーズはUNIX環境での開発者の立場に立って、本当に必要な情報を提供するという意図が貫かれていて、助けられた開発者も多かったのではないか。UNIX上での開発時に手元に置いておきたい一冊。