チェリストから転身した日本人為替トレーダー田中雅さんの生い立ちが読みたくて購入しました。
田中さんの記事も興味深いものでしたが、それ以外の人の生い立ちもとても興味深く読めました。
事実は小説より奇なりというのを改めて感じました。

著者が「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載している
コラム『ぼくは見ておこう』がおもしろかったので
早速購入し、一気に読んだ。

父親との思い出、
新人記者時代の日航機墜落事故で出逢った遺族との交流、
柔ちゃんに挑んだ長井淳子さん……と、
著者が出逢った人々を
「ぼくは見ておこう」という思いでまとめたノンフィクション。

誰もが限られた命を懸命に生きようとする姿を
温かな描写と最後に救いがある文章で表現されていて、
読んでいて心地がいい。
入手が難しくなっているようなので、
願わくば文庫本になって
少しでも多くの人々に触れてほしいと思う一冊だ。

この本を手にしたのは高校３年の夏休みの最後の日あたりでした。
受験勉強に追い立てられる毎日でしたが、この本を読んで渇いた心にじんわりと
残るものがありました。
本書を読まれた方は、筆者の愛情溢れる描写に引き込まれるでしょう。
いま、自分の人生に疑問を感じている人は、この本で他人の人生を覗いてみては？